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新幹線や特急列車の走行中に大地震が起きたら?
2026/10/29
新幹線や特急列車に乗っているとき、突然、大きな地震が起きたら……
時速200〜300km近くで走っている新幹線が、震度6強や震度7の大地震に遭遇したらどうなるのでしょうか。

普段電車に乗っているときに、そこまで考えることはあまりないかもしれません。
しかし、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、大きな地震はいつ、どこで起きるか分かりません。旅行や出張で遠くへ出かけているときに遭遇する可能性もあります。

そんなとき慌てずに行動できるように、今回は新幹線や特急列車に乗っているときの地震への備えについて考えてみたいと思います。


① 地震が発生!走行中はどうすればいい?

地震が発生したとき、まず大切なのは、自分の身を守ることです。
列車は地震を検知すると緊急停止することがあります。
その際、急ブレーキがかかり、体が大きく揺さぶられる可能性があります。

座っている場合は、席から立ち上がらず、上体を前かがみにしてバッグや腕などで頭を守ります。
できるだけ低い姿勢を保ち、前の座席などを利用して体が投げ出されないようにします。

立っている場合は、つり革や手すりをしっかり握り、足を広げて姿勢を安定させます。
可能であれば、しゃがんで転倒を防ぎましょう。

気象庁も鉄道やバスに乗っているときは、つり革や手すりにつかまるよう呼びかけています。

特に気をつけたいのは地震速報を聞いて慌てて席を立ったり、荷物を取りに行こうとしたりすることです。
急ブレーキがかかったときに転倒したり、周囲の人にぶつかったりする危険があります。
揺れを感じたら、まず頭を守り、体を安定させる。

まずはこれを覚えておきたいですね。


② 新幹線は地震でどうやって止まるの?

新幹線には、地震の揺れを検知した際に、列車を緊急停止させるための仕組みがあります。
東海道新幹線では地震計などで地震を検知すると、送電を停止し、列車に緊急ブレーキをかける仕組みが整備されています。また、脱線や車両の逸脱を防ぐための対策も進められています。

ただし、どんな地震でも揺れが始まる前に必ず停止できるわけではありません。
震源が近い場合などは、列車が大きく揺れる前に止まれない可能性もあります。

在来線の特急列車にも地震発生時の運転規制などがありますが、設備や対応は路線によって異なります。
つまり、安全のための仕組みは整えられていても、乗っている私たち自身が身を守る行動を知っておくことも大切ということです。


③ 緊急停止したあと、すぐに外へ出ていい?

地震で列車が止まったら、車内がどうなっているのか、外の様子はどうなのか、気になると思います。

でも、ここで慌てて車外へ出るのは危険です。

列車が止まった場所は、駅のホームとは限りません。
高架橋の上や鉄橋、トンネルの中、線路が複数ある区間などで停車している可能性もあります。

線路には感電の危険がある電気設備があったり、隣の線路を列車が走っていたりする場合もあります。
そのため、まずは車内放送や乗務員の指示を確認し、原則として案内があるまで車内で待機します。

けが人がいる場合は乗務員に知らせましょう。
非常通報装置が使える場合は、それを利用して状況を伝えることもできます。

スマートフォンで災害情報や現在地を確認しておくのも役立ちます。
ただし、通信がつながりにくくなることも考えられるので、家族への連絡は簡潔にし、バッテリーも大切に使いたいですね。

大阪市の防災案内でも、列車が止まったときに勝手に車外へ出ず、乗務員の指示に従うよう案内されています。


④ 列車が止まった場所によって、気をつけたいことも違う

列車が緊急停止した場合、停車した場所によって注意したい危険も変わってきます。

例えば、高架橋や鉄橋の上なら、高い場所からの転落や設備の損傷が心配です。
トンネル内では暗闇や落下物、避難経路の確認が必要になることもあります。
山間部では地震による土砂崩れや落石が起こる可能性があります。
また、地下区間では停電や煙、浸水などにも注意が必要です。

そして、特に忘れてはいけないのが海岸に近い場所で停車した場合です。


⑤ 海岸近くで停車したら、津波にも注意

南海トラフ巨大地震を考えるうえで、特に気をつけたいのが津波です。

海岸沿いを走る列車に乗っているときに大きな地震が起きたら、津波が迫ってくる可能性も考えなければなりません。

普段は「勝手に列車から降りない」が基本ですが、津波などの差し迫った危険がある場合は、ただ車内で待ち続ければいいというわけでもありません。

乗務員から避難の指示があった場合は、案内に従って速やかに避難します。
高台や津波避難ビルなど、より安全な場所へ移動することが重要です。

もし乗務員と連絡が取れず、津波が迫っているなど命に関わる危険が差し迫っている場合は、状況に応じて避難を判断する必要があります。

ただし、線路上には電気設備や段差などの危険があり、むやみに線路へ降りることも危険です。
避難する場合も周囲の状況を確認し、安全な経路を選ぶ必要があります。

JR東日本の「津波避難行動心得」でも、大地震が起きたら津波を想定し、連絡が取れない場合には自ら避難を判断することや避難後もさらに高い場所を目指すことが示されています。

列車から勝手に降りないことが基本。
でも、津波などの危険が迫っているときは、命を守るための避難を優先する。

この違いはしっかり覚えておきたいところです。


⑥ 旅行や出張のときに持ち歩いておきたい防災用品

大地震が起きると、列車が長時間動かなくなったり、駅で足止めされたりすることも考えられます。

そんなときに備えて普段のバッグに少し防災用品を入れておくと安心です。
・スマートフォンとモバイルバッテリー
・飲料水(500mL程度を目安に)
・携帯トイレ・ティッシュ
・常備薬・小さな救急用品
・小型ライト・ホイッスル
・歩きやすい靴や防寒用品

すべてを持ち歩くのは難しいかもしれませんが、モバイルバッテリーや飲み物、常備薬など、普段から使うものを少し多めに用意しておくと、いざというときにも役立ちます。

特に列車が長時間停車した場合は、トイレや飲み物の確保が難しくなることもあります。

大がかりな備えでなくても、移動中に困りそうなことを考えて準備しておくと、安心感が違うと思います。


■最後に覚えておきたい5つのこと

新幹線や特急列車に乗っているときに大地震が起きたら、次の5つを思い出してください。

・揺れや急ブレーキに備え、姿勢を低くする
・頭を守り、つり革や手すりにつかまる
・列車が止まってもむやみに車外へ出ない
・車内放送や乗務員の指示を確認する
・津波などの差し迫った危険がある場合は、安全な場所への避難を優先する

地震は自宅にいるときだけ起きるとは限りません。
旅行中や出張中、普段あまり利用しない路線に乗っているときに遭遇することもあります。

だからこそ、普段から「もし今、大きな地震が起きたら?」と少し想像しておくだけでも、いざというときの行動につながるのではないでしょうか。

そして、もう一つ考えておきたいことがあります。

もし新幹線が高架橋の上で緊急停止し、そのまま数時間、車内にとどまることになったら?

飲み物やトイレはどうするのか。スマートフォンの電池はどう確保するのか。

次回は、そんな「列車が長時間動かなくなったときの備え」についても考えてみたいと思います。


新幹線や特急列車の走行中に大地震が起きたら?
新幹線や特急列車の走行中に大地震が起きたら?
旅行先で台風に遭遇したら?車で帰るか、現地にとどまるか
2026/10/27
せっかくの旅行や連休。車で出かけた先が、突然台風の進路に入ってしまったら……

「今のうちに帰ったほうがいいのかな?」
「でも、途中で雨や風が強くなったらどうしよう」

こんなふうに迷うこともあると思います。

自分の車で来ていると、できればその日のうちに帰りたいと思うものですよね。
ただ、台風のときに怖いのは「まだ帰れるだろう」と走り始めた結果、途中で暴風雨や冠水に巻き込まれてしまうことです。

台風が近づいているときは、早めに安全な場所へ移動したほうがいい場合もあれば、反対に無理に移動せず、その場にとどまったほうがいい場合もあります。

大切なのは、車で帰ることだけにこだわらないこと。
今回は旅行先や出張先で台風に遭遇したとき、車で移動している人が気をつけたいことをまとめてみました。


■台風が近づいてきたら、まずは情報を確認

台風が自分のいる地域に近づいていると分かったら、まず確認したいのが、これからの天気と道路の状況です。
台風がいつ接近するのか、暴風や大雨が強まるのは何時ごろなのか。
帰り道に通行止めになりそうな道路はないか。

こうした情報を確認しておくと、早めに移動するべきか、宿泊を延長してとどまるべきか、判断しやすくなります。

もし、まだ天候が落ち着いていて、安全に移動できる時間が十分にあるなら、早めに帰るという選択肢もあります。一方、これから暴風雨が強まる予報で、帰宅までに長い時間がかかる場合は、無理に出発しないほうがいいことも。

宿泊先を延長したり、近くの安全な施設を探したりすることも考えておきたいところです。

ただし、宿泊先が洪水や高潮、土砂災害などの危険がある場所にないかも確認が必要です。
建物が丈夫そうに見えても周囲の状況によっては危険になることがあります。


■車を守ることより自分の安全を優先する

もう一つ考えておきたいのが、車をどこに置いておくかという問題です。

旅行先で台風に遭うと車が浸水しないか、飛んできた物で傷つかないかなど、車のことも気になりますよね。
でも、車を守ろうとして避難が遅れてしまっては意味がありません。

浸水のおそれがある低い場所や地下駐車場、川沿い、海岸付近などに車を置いている場合は、安全に移動できるうちに、より浸水しにくい場所へ移すことも選択肢になります。

ただし、台風の風雨が強まってから車を移動させるために外へ出るのは危険です。
車をどこに置くかと、自分がどこで安全を確保するかは分けて考えることが大切です。

車が心配でも、危険が迫っているなら自分の安全を優先したいですね。


■すでに運転中なら無理に走り続けない

では、すでに車を運転している途中で雨や風が急に強くなってきたらどうすればいいのでしょうか。

まず、スピードを落とし、急ハンドルや急ブレーキを避けること。
強い横風が吹くと、車が大きくあおられることがあります。特に橋の上や海沿い、周囲に遮るものが少ない道路、トンネルの出口などでは注意が必要です。

視界が悪くなってきたら無理に走り続けず、安全に停車できる場所を探すことも考えます。
ただし、高速道路の路肩などに安易に停車するのは危険です。
道路管理者や警察の案内に従い、安全な施設などへ移動できるかを判断する必要があります。

そして、何より気をつけたいのが冠水。

道路に水がたまっていると水深や路面の状態が分からなくなります。
見た目では浅そうでも、車が動かなくなってしまうことがあります。

警視庁も道路が冠水すると車が走行不能になる危険性について注意を呼びかけています。
特にアンダーパスや川沿いの道路などは、雨が強まると短時間で危険な状態になることもあります。
「このくらいなら通れるだろう」と進んでしまうのは避けたいところです。

冠水した道路には入らない。

これは、台風のときだけでなく、突然の大雨でも覚えておきたいことですね。


■車が冠水してしまったら脱出できるうちに

もし車が水につかってしまった場合は、車を動かすことにこだわらず脱出を考える必要があります。
水位が上がると、車のドアに水圧がかかって開けにくくなることがあります。

電気系統が使えるうちに窓を開け、シートベルトを外し、ドアが開くなら早めに脱出します。

ただし、車の外が激しい流れになっている場合など、飛び出すこと自体が危険な状況もあります。
周囲の状況を見て救助が必要なら119番へ連絡してください。

窓が開かない場合に備えて、車に脱出用ハンマーを積んでおくのも一つの方法です。
使う場合は、一般的にサイドガラスなど、割ることのできるガラスを狙います。
フロントガラスや一部のサイドガラスは合わせガラスのため、通常の脱出用ハンマーでは割れない場合があります。

また、脱出用ハンマーは積んでいるだけでは、いざというときに使えないこともあります。
トランクの中ではなく、運転席から手が届く場所に置いておくことも忘れずに。

車が無事に水から出られたとしても、冠水した車は電気系統などに不具合が起きている可能性があります。
水が引いたからといって、すぐにエンジンを再始動するのは避け、専門業者に確認してもらうほうが安心です。


■帰るか、とどまるか。判断に迷ったら

台風のとき、帰宅するか現地にとどまるかは、天候や道路の状況によって変わります。

例えば、まだ台風が遠く帰り道も安全であれば、早めに移動するという判断もできます。
一方、数時間後に暴風雨が強まる予報で、長距離を運転しなければならないなら、宿泊先を確保しておくほうが安全な場合もあります。

すでに暴風雨が始まっているなら、無理に運転を続けず、安全な建物の中で状況を確認することが優先です。
周辺で冠水や土砂災害が起きている場合も、車で移動すれば安全とは限りません。
今いる場所自体に危険が迫っているのか、移動することでさらに危険な場所へ向かうことにならないか、落ち着いて判断する必要があります。

そして、台風が通過したあとも油断はできません。

一時的に風が弱まってもそのあと再び強い風が吹くことがあります。
道路の冠水や通行止め、倒木などが残っている可能性もあるため、雨が止んだからといって、すぐに出発するのは避けたいところです。


■車で出かけるなら普段から備えておきたいもの

台風のために車へ積んでおくと役立つものもあります。

・飲料水・非常食
・スマートフォンの充電器・モバイルバッテリー
・脱出用ハンマー・シートベルトカッター
・携帯トイレ
・懐中電灯
・常用薬・救急用品
・雨具・タオル・着替え
・現金

非常食や水は、できれば数日分を備えておくと安心ですが、まずは無理なく積んでおけるものから準備しておくのもいいと思います。

車での移動中は、渋滞や通行止めで予定どおりに進めなくなることもあります。
そんなときに、飲み物やモバイルバッテリーがあるだけでも助かりますよね。


■旅行先でも確認できる情報サイト

出かけた先で台風の情報を確認したいときは、次のサイトが役立ちます。

・気象庁「防災情報」
台風の進路や警報・注意報、キキクルなどで災害の危険度を確認できます。

気象庁 防災情報
・国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
今いる場所や宿泊先の周辺について、洪水・高潮・土砂災害などのリスクを調べられます。

ハザードマップポータルサイト
・JARTIC「日本道路交通情報センター」
高速道路や一般道の通行止め、交通規制などを確認できます。

・JARTIC 道路交通情報
土地勘のない場所では、普段なら気にしない道路が浸水しやすい場所だったり、近くに土砂災害の危険がある場所だったりすることもあります。

出発前だけでなく、現地に着いてからも、天気や周辺の状況を確認しておくと安心です。


■「帰る勇気」より「帰らない勇気」

旅行先で台風に遭うと、予定が変わってしまうこともあります。
せっかく来たのだから帰りたい。車も心配だし、できれば今日中に家に着きたい。

そんな気持ちは自然なことだと思います。

でも、台風の中を無理に移動して途中で動けなくなってしまったら、かえって危険が大きくなります。

今回のようなケースでは、「帰れるかどうか」だけでなく、「安全に帰れる状況なのか」を考えることが大切です。

状況によっては、宿泊を延長して1日待つことも、立派な防災の判断です。
車は便利ですが、暴風や浸水から命を守ってくれる万能な場所ではありません。

「台風が来たら、帰ることにこだわらない」


車で旅行や出張に出かける方には、そんな考え方も覚えておいてほしいと思います。
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旅先で突然の豪雨に遭ったら?土地勘のない場所で気をつけたいこと
2026/10/03
連休になると、普段とは違う場所へ出かける機会も増えますよね。

観光地や行楽先など、土地勘のない場所で突然の豪雨に遭うと、「どこへ逃げればいいのか」「この道を通って大丈夫なのか」と、普段以上に判断が難しくなります。

特に車で出かけていると、
「雨がひどくなる前に帰ろう」
「ホテルまでもう少しだから……」
と、つい移動を続けたくなってしまうかもしれません。

でも、豪雨のときは、「帰ろうと無理に移動しない」「車に執着しない」「低いところから高いところへ」。
この3つを頭の片隅に置いておくだけでも、いざというときの判断が変わってくると思います。


■冠水した道路には入らない

まず、これは一番気をつけたいところです。
道路が冠水していると、水の深さだけでなく、路肩や側溝、マンホールなども見えなくなってしまいます。
「前の車が通っているから大丈夫」と思ってしまいそうですが、これはかなり危険です。

国土交通省の資料では、一般に浸水深30cm以上になると走行が困難になり、50cm以上では車体が浮くなどの危険が高まるとされています。

特に注意したいのが、道路が周囲より低くなっているアンダーパス。
普段は何でもない道路でも、短時間の大雨で一気に水がたまることがあります。

「あと少しだから」と進んでしまうのではなく、冠水している時点で、その先へ進むこと自体を一度考え直したいところです。


■車が動かなくなったら、水が増える前に

もし、すでに車が冠水した道路などで動けなくなってしまった場合。
ここで大切なのは、エンジンを何度もかけ直して車を動かそうとすることよりも、水位が上がる前に脱出できる準備をすることです。

シートベルトを外し、ドアを解錠して、電気系統がまだ使えるうちに窓を開ける。
水がドアの下端まで来ると、水圧によってドアが開きにくくなります。さらに水が深くなると、ほとんど開けられなくなる場合もあります。

「まだ大丈夫」と思っているうちに、水位が一気に上がることもあるので、ここは早めの判断が重要になります。


■窓が開かなかったときのために

電気系統が止まって窓が開かない場合に備えて、車に脱出用ハンマーを積んでおくのも一つの備えです。

基本的にはサイドガラスやリアガラスを狙いますが、フロントガラスや一部車種のサイドガラスには合わせガラスが使われており、ハンマーでも割れない場合があります。

JAFの実験では、スマートフォンや傘、車のキーなどでは窓を割ることができなかったという結果もあります。

脱出用ハンマーを用意するなら、置き場所も大切になってきます。
トランクの中では、車が水没してから取り出せません。

運転席から、シートベルトをしたままでも手が届く場所──ここまで考えて置いておくと、いざというときに役立つ可能性があります。


■車を出たら「遠く」より「高く」

車から脱出できたとしても、「避難所まで行かなければ」と冠水した道路を歩いて移動するのは危険です。

冠水してから何百メートルも歩くより、近くにある頑丈な建物の2階以上など、その時点でより安全な場所へ移るほうがいい場合もあります。

水深が50cm程度でも、大人が歩くのは難しくなります。
「膝くらいまでなら歩けるだろう」と思ってしまいそうですが、濁った水の中では足元が見えません。
側溝や段差、マンホールなどに気づけないこともあります。

避難は「遠くへ行くこと」ではなく、危険な場所から少しでも安全な場所へ移ること。
こう考えておくと、判断しやすいかもしれません。


■山や川の近くでは「上へ逃げる」だけでは足りない

山間部や川・沢の近くにある行楽地では、もう一つ注意したいことがあります。

豪雨になると川が増水するだけでなく、土砂災害が同時に起こる可能性もあります。
そのため、単純に「高いところへ」と考えるだけではなく、川や沢から離れること、崖や急な斜面からも離れることが必要になってきます。

指定された避難所へ向かう場合でも、その道自体が冠水しているようなら無理にそこまで移動する必要はありません。

その時点で近くにある、より安全な場所を探すことも大切です。

土地勘のない場所だからこそ、「どこが安全なのか分からない」ということもあります。
そんなときのために、スマートフォンで気象庁の「キキクル」を確認しておくのも役立ちます。
「浸水キキクル」「洪水キキクル」「土砂キキクル」では、それぞれの災害の危険度を地図上で確認できます。

2026年からは防災気象情報も5段階の警戒レベルに対応する形に整理されています。
レベル4相当の情報が出ている場合などは、避難情報が出るのをただ待つのではなく、今いる場所が安全なのか、自分で確認しておくことも必要になります。


■一番怖いのは「あと10分だから」

今回のような豪雨で、特に避けたいのがこんな流れです。

「ホテルまであと10分だから」
↓
「このくらいの水なら通れそう」
↓
冠水路へ進む
↓
車が止まる
↓
水位が上がってくる
↓
ドアが開かない

こうなってしまうと、急に選択肢が少なくなってしまいます。

それよりも、「これはちょっと危ないな」
↓
早めに車を安全な場所へ止める
↓
車にこだわらず、近くの高くて頑丈な建物へ
↓
雨や周囲の状況が落ち着くまで待つ

という判断のほうが、安全につながる場合があります。

車はまた取りに行けるかもしれません。
でも、冠水が始まってから「やっぱり戻ろう」と思っても、道路の状況が急に変わってしまうことがあります。


■もう一つ、覚えておきたいこと

一度しっかり冠水した車は水が引いたからといって、すぐにエンジンをかけないほうが安全です。

電気系統などが損傷している可能性があるためです。

車が無事だったとしても、「水が引いたから大丈夫」と自己判断で再始動するのではなく、専門業者などに確認してもらうことも考えておきたいところです。


突然の豪雨は、出かける前には想像していなかった場所で起こることがあります。
特に連休の行楽先など、土地勘のない場所では、
「どこに逃げればいいのか分からない」
「この道路が低い場所だと知らなかった」
ということも十分に考えられます。

だからこそ、出かける前に天気を確認しておくことに加えて、もし急に雨が強くなったら「無理に帰らない」「水の中へ入らない」「低い場所から離れる」ということだけでも覚えておきたいですね。

車で出かける方は、脱出用ハンマーを車内の手の届くところに置いておく。
それだけでも、万が一のときの備えになります。

「まだ行けるだろう」と思ってからではなく、「ちょっと危ないかも」と感じた段階で立ち止まる。
豪雨のときは、そのくらい早めの判断がちょうどいいのかもしれません。


旅先で突然の豪雨に遭ったら?土地勘のない場所で気をつけたいこと
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東京で大地震に遭ったら? 地方とは少し違う「首都直下地震」への備え
2026/09/29
東京へ出張や旅行に行く機会がある方も多いと思います。

普段徳島で生活していると、地震が起きたときには「津波から逃げる」「高い場所へ避難する」といったことをまず考えますよね。

ところが、東京のような大都会で大きな地震に遭った場合は少し考え方が違います。

東京で特に重要になるのが、「すぐに避難所へ行く」よりも「安全な場所にとどまってむやみに移動しない」ということ。大規模な地震の後は、救命・救助活動を優先するため、東京都も一斉帰宅を抑える考え方を示しています。

「地震が起きたら、とりあえず家やホテルへ帰る」という普段の感覚とは、少し違うんですね。

今回は、東京へ出張する機会がある方にも知っておいてほしい、首都直下地震が起きたときの行動についてまとめてみました。


* 揺れた瞬間は「逃げる」より「頭を守る」

緊急地震速報が鳴ると、どうしても「早く逃げないと」と思ってしまいます。
でも、速報が鳴ってから強い揺れが来るまで、数秒から数十秒しかない場合もあります。

まずはカバンなどで頭を覆い、ガラスや看板、棚、照明など、落ちたり倒れたりするものから離れる。
建物の中なら、丈夫な机の下や柱の近くなど、身を守れそうな場所で揺れが収まるのを待ちます。

慌てて建物の外へ飛び出すと、今度は外から落ちてくるものに巻き込まれる危険もあります。
最初の数秒は「逃げる」より「身を守る」。
ここは、東京に限らず覚えておきたいところです。


* 繁華街では「ビルの真下」から少し離れる

東京の繁華街といえば、新宿、渋谷、銀座、東京駅周辺など。
普段からたくさんの人が歩いていますが、大地震が起きたときには、建物からの落下物にも注意が必要です。

看板やガラスなどが落ちてくる可能性があるため、カバンなどで頭を守りながら、周囲の状況を見て安全な場所へ。近くに広場などがあれば、そちらへ移動することも選択肢になります。

ただ、地震直後に人が一斉に動き始めると、それ自体が危険になることもあります。
人の流れにそのままついていくのではなく、ブロック塀や古い建物などにも注意しながら、落ち着いて周囲を見ることが必要です。


* 地下・駅・電車では、慌てて外へ出ない

東京には地下街や地下鉄の駅がたくさんあります。
地下にいると「早く地上へ出たほうがいいのでは?」と思うかもしれません。

でも、揺れている最中に出口へ人が殺到すると、階段などで転倒や混乱が起きる可能性があります。

まずは柱や壁の近くなどで揺れから身を守り、駅員や施設側からの案内を待つ。
駅のホームにいる場合は、何より線路へ落ちないこと。
電車の中なら、姿勢を低くして、つり革や手すりにつかまります。

そして、東京の高層ビルで気をつけたいのが長周期地震動です。

高層階では、ゆっくりと大きな揺れが長く続くことがあります。
エレベーターの中で揺れを感じた場合には、行先階のボタンをすべて押し、最初に停止した階で降りるという東京都の案内もあります。


* 揺れが止まっても、すぐホテルへ向かわない

ここが、東京での地震について調べていて特に気になったところです。

地震が収まったら「ホテルに戻ろう」「駅へ行こう」「家に帰ろう」と考えてしまいそうですが、東京では「すぐに歩き出さない」という判断が重要になる場合があります。

大規模な地震で鉄道が止まれば、多くの人が一斉に帰宅しようとします。
道路や歩道が人であふれれば、救急車や消防車などの活動にも影響が出てしまいます。
今いるビルや会社、商業施設などが安全であれば、まずはその場所にとどまる。
もし屋外にいて、その場に安全に待機できる場所がない場合には、開設された一時滞在施設を利用するという方法もあります。

東京都では、2026年1月1日時点で、1,310か所・約53万4,000人分の一時滞在施設が確保されています。

「帰れないなら、どうしよう」と焦るのではなく、「帰らずに安全に待てる場所がある」と知っておくだけでも、少し安心です。


* 「避難所」と「一時滞在施設」は同じではない

ここも、地方から東京へ行く人には少し分かりにくいところかもしれません。

災害が起きたら、近くの小学校などにある避難所へ行けばいい。
そう思いがちですが、東京へ出張中などの「帰宅困難者」の場合は、必ずしも避難所へ向かうというわけではありません。

会社やホテルなど、安全に待機できる場所があるなら、まずはそこにとどまる。
外出中で、その場所にとどまることが難しい場合は、東京都などから開設情報が発信された一時滞在施設を利用する、という考え方です。

なお、事前に公表されている施設でも、実際の災害時には施設の被害状況などによって受け入れができない場合があります。発災時の開設情報を確認してから動くことになります。


* 東京湾の近くにいる場合は、津波も忘れずに

ここは徳島に住んでいる私たちにとっても、イメージしやすいところですね。
お台場、豊洲、有明、羽田周辺など、水辺にいるときに大きな揺れや長い揺れを感じた場合は、津波の可能性も考えておきたいところです。

津波警報などが発表された場合は、海や川から離れ、より安全な場所へ。
「東京だから津波は関係ない」と考えるのではなく、今いる場所が海や川に近いのかどうかを一度確認しておくと安心です。


* 「情報・電池・水」を大事に使う

大きな災害が起きると、電話がつながりにくくなることも考えられます。
家族に連絡を取る場合も、何度も電話をかけ続けるのではなく、「無事です」「今ここにいます」「しばらく動きません」など、短いメッセージで状況を伝える方法もあります。

スマートフォンは災害情報を確認するためにも必要になるので、動画を見たり必要以上に使ったりせず、バッテリーをできるだけ残しておきたいところです。

もちろん、余震にも注意が必要です。

ガラスが割れている場所や傾いている建物、ブロック塀などには近づかないほうが安心です。

*

ここまで書いてきましたが、東京へ出張する人にとって、意外と役に立ちそうなのが「東京都防災アプリ」です。

2025年3月から追加された「帰宅困難者モード」では、発災時に近くの一時滞在施設や鉄道の運行状況、混雑している地域などを確認できます。

「どこへ行けばいいのか分からない」という状況になったとき、こうした情報をスマートフォンから確認できるのは心強いですよね。

東京へ行く予定がある方は、出張前に一度ダウンロードしておいてもよさそうです。

東京都防災アプリ(東京都公式)
東京都防災アプリの詳細・ダウンロードはこちら
→https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1028747/?utm_source=chatgpt.com


*バッグの中に、少しだけ防災用品を

東京へ行くたびに大きな防災バッグを持っていくのは、なかなか難しいですよね。

でも、普段使っているバッグに500mL程度の水・モバイルバッテリー・小さな非常食・現金・常用薬・ハンカチやマスクなどを入れておけば、いざというときに役立ちます。
革靴で出張する場合は、長時間歩くことを考えて、歩きやすい靴を用意しておくのもよさそうです。

「東京で地震に遭ったら、何時間も歩いて帰ることになるかもしれない」
そう考えると、靴の大切さも意外と見落とせません。

「揺れたら守る。止まったら確認。東京では、すぐ歩かない。」

今回調べてみて感じたのは、東京で大きな地震に遭ったときは、「早く帰ること」より「安全な場所で待つこと」が重要になる場面があるということです。

徳島では、場所によっては「津波から逃げる」が最優先になります。
一方、東京では、身を守る → 周囲の状況を確認する → むやみに移動しない → 情報を確認しながら次の行動を考える、という流れになります。

普段なら人が多い東京の街も便利で楽しい場所ですが、大きな地震が起きれば、その「人の多さ」そのものが災害時の大きな問題になることがあります。

周りの人が一斉に歩き始めると、自分も「早く帰らないと」と焦ってしまいそうです。

でも、そんなときこそ一呼吸。
「今は、本当に動いたほうが安全なのかな?」と考えてみる。

東京へ出張する機会がある方は、出発前に一度だけでも「もし今日、東京で大きな地震が起きたら?」と考えておくと、いざというときの行動も少し変わってくるかもしれません。

東京で大地震に遭ったら? 地方とは少し違う「首都直下地震」への備え
東京で大地震に遭ったら? 地方とは少し違う「首都直下地震」への備え
南海トラフ地震が起きたら救助はすぐ来る?
2026/09/11
大きな災害が起きたら、

「消防が来てくれる」
「警察が助けてくれる」
「自衛隊が来てくれる」

そんなふうに考える方も多いと思います。
もちろん、実際に大規模な災害が起きれば、自衛隊や消防、警察などが全国から応援に入ることになります。

ただ、南海トラフ巨大地震について調べていると、少し気になることがありました。

「助けに来てもらえるまでに、かなり時間がかかる場所が出てくるのではないか」ということです。

南海トラフ地震は、静岡県から九州にかけて、とても広い範囲が被災する可能性があります。
そこに、大津波や同時多発する火災、道路の寸断、停電や通信障害、港湾や空港の機能停止などが重なる。
そうなると、そもそも救助する側が被災地までたどり着けないケースも考えられます。

つまり「公助だけを待っていては間に合わない」という前提で、国や自治体も防災を考えているんですね。

いったい、どれくらいの規模になるのか?

南海トラフ地震の被害想定を見ると、死者や負傷者、避難者がそれぞれ数十万~数百万人規模になるとされています。

これだけの人数が一度に被災するとなると、当然ながら、自衛隊・消防・警察・DMAT(災害医療チーム)などが全力で動いたとしても、すべての場所へすぐに救助に向かうことは難しいでしょう。

特に気になるのが、よく言われる「発災後72時間」です。

倒壊した建物からの救助や、けがをした人の手当て、搬送など、時間との勝負になる場面がたくさんあります。

ところが、その救助に向かうための道路が津波で使えなくなっていたり、橋が崩れていたり、燃料が不足していたり、通信が途絶えていたり……さらに、ヘリが使えてもどこでも着陸できるわけではありません。

「助ける人が足りない」というだけでなく、「助けに行くこと自体が難しい」という状況も想定しておかなければならないわけです。


■徳島はどうなる?

徳島に住んでいる私たちにとっては、ここが特に気になるところです。

徳島は海岸線が長く、南海トラフ地震では津波の影響も大きいとされています。
山間部も多く、場所によっては道路が寸断される可能性もあります。

さらに、夜間に地震が起きれば、暗い中での避難になるため、昼間よりも動きにくくなることも考えられます。

そう考えると、徳島では「まず自分たちで安全なところまで逃げる」ということが、とても重要になってきます。

これは決して「救助隊は助けてくれない」という冷たい話ではありません。
むしろ、救助隊が来るまでの時間を、自分たちで生き延びる必要があるということです。

■自衛隊は来てくれる。でも、行く場所が多すぎる

もちろん、大規模災害になれば自衛隊も全力で動くことになります。

艦艇やヘリ、輸送機などを使った人員・物資の輸送。
給水車や野外炊具、仮設風呂、衛生部隊など、さまざまな支援が行われます。

ただ、南海トラフ地震で難しいのは、やはり「同時にあまりにも広い範囲が被災する可能性がある」というところです。

例えば、東日本大震災では東北地方を中心に広い範囲が被災しました。
南海トラフ地震では、さらに東海から近畿、四国、九州まで、太平洋側の広い地域が同時に被災する可能性があります。

そこには人口の多い都市もあれば、工業地帯や港湾、発電施設などもあります。
当然、救助や支援が必要になる場所も一気に増えます。

「助けに来てくれる人がいない」のではなく、「助けを必要とする場所が多すぎる」ということなんですね。


■だからこそ自助と共助

こう考えていくと、なぜ防災で「自助」「共助」が繰り返し言われているのかが、少し分かる気がします。

自分で逃げる。
家族で助け合う。
近所の人同士で声を掛け合う。
会社にいるなら、会社単位で初動対応をする。
救助隊が到着するまでの時間を、地域や身近な人たちでつないでいく。

これが、南海トラフのような超広域災害では特に重要になってきます。

例えば会社であれば、発電機や水、簡易トイレなどの備蓄。
必要に応じて建設機械を使える体制や、通信手段、社員の安否確認。
そして、「津波が来たらどこへ逃げるのか」といったルールを、あらかじめ決めておく。
こうした準備があれば、災害が起きた直後に、自分たちだけでなく周りの人を助ける側に回れる可能性もあります。


■最初に人を助けるのは、意外と近くにいる人かもしれない

過去の大きな災害でも、発災直後に人を助けたのは、必ずしも専門の救助隊だけではありません。

近所の人だったり、地元の建設業者だったり、漁師さんだったり、消防団だったり。
その地域に普段からいる人たちが、身近な人を助ける場面はたくさんありました。

考えてみれば、これは当然なのかもしれません。

大きな災害が起きた直後、遠くから来る救助隊よりも、その場所にいる人のほうが先に動ける場合があるからです。

そう考えると、地域の建設業者や防災に関わる企業が普段から備えておく意味も、かなり大きいのではないでしょうか。


■「助けを待つ」だけではなく、「最初の72時間を支える」

今回、南海トラフ地震と救助について調べてみて感じたのは、
「災害が起きたら、誰かが助けに来てくれる」だけではなく、その前の時間をどうするかがとても大事なんだなということです。

無水トイレ、津波への備え、BCP、備蓄、地域防災、会社の初動体制。
こうした防災対策は、一見するとそれぞれ別の話に見えます。

でも、その先にあるのは「救助や支援がすぐに届かない時間を、どうやって乗り切るか」という共通した問題なのかもしれません。

救助隊が来るまでの間、自分たちの命を守る。そして、余裕があれば、近くにいる人を助ける。

南海トラフ地震のような大規模災害では、そんな「地域で最初の72時間を支える力」が、これまで以上に必要になってくるのではないでしょうか。

南海トラフ地震が起きたら救助はすぐ来る?
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